■奇数ゼータと杉岡の公式(その24)

 (その23)の雑感に,

 『ζ(2k+1)についてよくわかっておらず,ζ(3)は無理数になることが1978年になってようやく証明された(Apery).その他のζ(2k+1)についてはζ(5),ζ(7),・・・,ζ(17),ζ(19)の8つの特殊値のうち,ひとつは無理数であることが2001年に証明されたという(V.V. Zudilin).』

と書いたところ,杉岡幹生氏より最新の結果では

 『ζ(5),ζ(7),ζ(9),ζ(11)の4つの特殊値のうち,ひとつは無理数であることが2001年に証明された(V.V. Zudilin).』

というご指摘を頂いた.

 さらに,杉岡氏からの受け売りを紹介すると,

[1]無限に多くの無理数の奇数ゼータζ(2k+1)が存在する(Rivoal,2000).

[2]ζ(5),ζ(7),・・・,ζ(19),ζ(21)の9つの特殊値のうち,ひとつは無理数である(Rivoal,2001)

[3]ζ(5),ζ(7),・・・,ζ(17),ζ(19)の8つの特殊値のうち,ひとつは無理数である(Zudilin,2001)

[4]ζ(5),ζ(7),ζ(9),ζ(11)の4つの特殊値のうち,ひとつは無理数である(Zudilin,2001)

 これらは杉岡氏のHP

  http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page041.htm

に掲載されているとのことである.

 最後に杉岡氏のコメントで今回の短いコラムを締めたいのだが

 『奇数ゼータの無理性の問題は,リーマン予想と同じような状況にあることがわかります.ハーディはゼータ関数の零点がs=1/2上に無数にあることを示した.Rivaolは無数の多くの無理数の奇数ゼータが存在することを示した.面白い対応ですよね・・・.』

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