■概完全数

 自然数Nの正の約数の和をσ(N)で表すことにします.Nが素数ならば,  σ(N)=1+N

完全数ならば

  σ(N)=2N

が成り立ちます.

  σ(6)=1+2+3+6=12=2・6

  σ(28)=1+2+4+7+14+28=56=2・28

  σ(496)=(1+2+2^2+2^3+2^4)(1+31)=992=2・496

 ユークリッドは「原論」の中で,2^n−1が素数ならば2^n-1(2^n−1)は完全数であることを示し,さらにオイラーは偶数の完全数はこの形に限ることを証明しました.偶数の完全数は無限に存在するか,奇数の完全数は存在するかは未解決の難問になっています.

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【1】概完全数

 さて,ここでは

  σ(N)=2N−1

を満たす自然数を概完全数と呼ぶことにします.

 N=2^rとすると

  σ(N)=(1+2+2^2+・・・+2^r)=2^r+1−1=2N−1

ですから,偶数の概完全数は無限に存在することがわかります.

 16の自分自身を除く約数は1,2,4,8で,

  16−1=1+2+4+8

であるから,16は概完全数である.16に限らず,2の累乗はみな概完全数である.奇数の概完全数が存在するかどうかはわかっていない.

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[Q]σ(N)が奇数ならば,Nは平方数であることを示せ.

[A]N=p1^e1・p2^e2・・・pk^ekと素因数分解されるものとすると,

  σ(N)=Π(1+pi+pi^2+・・・+pi^ei)

 σ(N)は奇数であるから,1+pi+pi^2+・・・+pi^eiも奇数→eiは偶数→Nは平方数である

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【2】k倍完全数

  σ(N)=kN

を満たす自然数をk倍完全数と呼ぶことにします.

  σ(120)=360=3・120

すなわち,3倍完全数です.どのkに対してもk倍完全数は存在するだろうといわれています.

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