■リーチ格子とゴレイ・コード(その2)
多くの符号系がガロア代数体から得られるのですが,パリティビットを加えて24ビットにした符号系を使用すると,3個までの誤りが訂正できる符号系ができあがります.
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【1】24次元リーチ格子
24ビット符号系を使用する場合,符号語12ビット+検査11ビット+パリティ1ビットですから,2^12=4096語を使用することができます.
1)符号語0に対しては全0
2)符号語1に対しては
000000000001|01000111011|1
この場合の検査ビットは,左からb10,b9,・・・,b1,b0とし,bkは素数11に対して平方剰余のとき1,平方非剰余のとき0とする.また,パリティビットは全体で1が8個となるようにする.
3)符号語2^k(k=1~10)に対しては,末尾のパリティビットはそのままにして,残りの23ビットをそれぞれ左にk-1桁巡回シフトとする.
4)左端が0の符号語(0~2047)に対しては,左側を2進数と考えて,3)で作った符号を各ビットごとに排他的論理和をとる.
5)左端が1の符号語m(2048~4095)に対しては,その補数4095-mに対して4)で作った符号の各ビットを反転させる.
このようにすると,全0と全1を除いた4094語の符号は1が8個,12個,16個のいずれかであり,相異なる2個の符号は少なくとも8ビットが異なるようにすることができます.
この考え方が24次元リーチ格子の場合にも有用となり,リーチは1967年に構成した極めて密な格子を構成しました.これがリーチ格子で,1969年,コンウェイはこれを利用して「コンウェイ群」と呼ばれる散発単純群を構成しています.これがさらに1973年,「モンスター」と命名・愛称された散在型有限単純群の誕生に結びつきました.
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