今回の騒動の経緯をまとめると以下の通りである．

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　坂本龍一　咽頭癌にかかっていることを公表．この時，「反原発のため，放射線治療はうけない」との文言は一切なかった．（7月10日）

　あるスポーツ紙が「関係者によると，・・・」という書き方で坂本龍一は「反原発のため，放射線治療はうけない意向」であると報道(7月10日）（のちに飛ばし記事であると判明）

　これが一人歩き，インターネットのニュースとして「報道」された．私の友人が，facebookでおかしな報道を知ったのは11日から12日の間のようだ．

　ネットでは，これを美談としてあつかう人と「所詮反原発派は科学的でない」と批判（中傷）する人ととにわかれた．原発推進派，反原発の立場の人とも，スポーツ紙の報道内容を疑う人はほとんどいなかったようだ．

　その後，坂本龍一のマネージャーおよび坂本龍一本人が，報道内容（反原発のため放射線治療拒否）を否定．（ツイッターで声明）（ツイッターの場合，「なりすまし」の事例があるが，これは本人のものと断定して良いようだ）

　その間，スポーツ紙のデマは海外のメディアにまで浸透．ネットで検索したら，中国語の記事も見られた．

　原発をする立場にせよ，反対する立場にせよ，正しい科学を身につけることが必要だ．それと同時に，ニュースをウラを取ることをとることが重要．もし，「反原発のため，放射線治療はうけない」というのであれば，最初の事務所の発表の中にこの文言がなかったのだろうか？

　また，反原発派を揶揄することばとして「放射脳」ということばがあることをしった．また，反原発＝左翼ということになるらしい．ネットでの匿名での坂本龍一への中傷の口汚さには参ったという．

　彼がfacebookで「美談」を見つけて私に知らせてくれた．私の記事が病理学，癌の専門家として，更に放射線医療の誤解を解く為の専門家のコメントとして貴重なものになるはずと思ったからだという．

　以上，日時等，きっちり提示できなかったが，これがほぼ真実であろう．今なお勘違いしている人はいる．詳細な検証はプロのジャーナリストがやって欲しいところだが，はたしてどうなるだろう．

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