■カヴァリエリ合同

 半径rの球を中心からxのところを通る平面で切ると断面積はπ(r^2−x^2)となります.

 次に,1辺の長さが1の立方体を考えます.1辺の長さが√2の正四面体は,その立方体に内接し,体積は1/3になります.正四面体の2組の相対する辺はねじれの位置にありますが,その中点を結ぶ直線はこれらの辺に直交します.このような状況では中点を結ぶ直線の長さは1となります.

 中心を通る平面できる断面の形は1辺の長さが1/√2の正方形ですから,正四面体の辺に沿ってxのところを通る平面で切ると断面積は((1/√2)^2−(x/√2)^2)となります.

 したがって,1辺の長さが2r√πの正四面体を考え,中心からxのところを通る平面で切ると断面積はπ(r^2−x^2)となります.そして,カヴァリエリの原理「切り口の面積が等しければ体積も等しい」から,この正四面体の体積は半径r(直径2r)の球の体積と等しくなることが簡単に証明できます.

 このように,3次元では非平面図形と平面図形の大きさの間に成り立つ等式として,球が四面体と同じ体積になるという見事な例が知られています.2つの立体がカヴァリエリ合同であり,中心を通る平面できる断面の形は面積πr^2の円と正方形ですから,このことから円積問題が解決されたような気分にさせられてしまうのですが,実は円積問題は解決していないのです.

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