■置換多面体の空間充填性(その218)
【1】頂点回りのfn-1公式
[1]正多面体の場合
(1,0,・・・,0)→[0,0,・・・,1]
(0,0,・・・,1)→[1,0,・・・,0]
とする.
準正多面体では
[2a]ワイソフ構成の最も左にある1と最も右にある1の間の成分をすべて以下のように置き換える.
中間の0の位置には,連続する0の数をmとして
(m+1,1),(m+1,2),・・・(m+1,m)
中間の1の位置には1=(m+1,0)=(m+1,m+1)
[2b]隣の成分が0である1を0に変更する.
[2c]両端の成分を以下のように置き換える.
第0項:(tp+1,1)
第n−1項:正軸体では2^n-1-fp,正単体では(n−fp,1)
このように, 縮退情報を加味することによって,アルゴリズムは正多面体でもあてはまる.ただし,H3,H4,F4に対して[2a]は別途考える必要がある.
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【2】散在型の場合
[1]H3
第0項:(tp+1,1)に相当するものは1→2→3
第n−1項:正軸体では2^n-1-fp,正単体では(n−fp,1)に相当するものは1→2→5と変化する.
[2]H4
第0項:(tp+1,1)に相当するものは1→2→3→4
第n−1項:正軸体では2^n-1-fp,正単体では(n−fp,1)に相当するものは1→2→5→20と変化する.
[3]F4
第0項:(tp+1,1)に相当するものは1→2→3→6
第n−1項:正軸体では2^n-1-fp,正単体では(n−fp,1)に相当するものは1→2→3→6と変化する.{3,4,3}(1,0,0,1)の0には3,3ではなく4,4を対応させる.
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【3】まとめ
1→2→3→4と変化する数列は{n}=(n,1),すなわち,正単体の頂点数を表す数列,1→2→4→8と変化する数列は{2^n-1}は立方体(正測体)の頂点数を表す数列である.
しかし,
[1]1→2→5→20
[2]1→2→3→6
と変化する数列ははたして数列と読んでいいものか,答えをいうと
[1]は点における頂点数,線分における頂点数,正5角形における頂点数,正12面体における頂点数の並びである.次に続くものは正120胞体における頂点数600であるが,それでおしまいとなる.
[2]は点における頂点数,線分における頂点数,正3角形における頂点数,正8面体における頂点数の並びである.次に続くものは正24胞体における頂点数24であるが,それでおしまいとなる.
また,パスカルの三角形
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
も同様である.1 2 1は点における頂点数,線分における頂点数,線分における辺数,1 3 3 1は点における頂点数,正3角形における頂点数,正3角形における辺数,正三角形における面数である.1 4 6 4 1は点における頂点数,正4面体における頂点数,正4面体における辺数,正4面体における面数である(単体版).
すると,1 4 4 1の正体はその立方体版であって,点における頂点数,正方形における頂点数,正方形における辺数,正方形における面数ということになる.
[参]高次元図形サイエンス,京都大学学術出版会,p145−146
のデータを利用して,4次元準正多胞体について(その218)を確認することができた.
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