■E8格子とひも理論(その2)

 素粒子の対称性を表すのに,群論が用いられる.ゲル・マンの研究ではスピン角運動量を決めるSU(3)という8次元の群が使われ,彼はそれを仏教にちなんで,八道説と呼んだ.

 そして,宇宙には2種類の粒子があり,ひとつはボーズ粒子で,整数スピン(0,±1,±2,・・・)をもち,2つの粒子を交換しても符号は変化しない.その代表は光子である.

 もう一つはフェルミ粒子で,半整数スピン(±1/2,±3/2,・・・)をもち,波動関数は四元数的(スピノル)で,粒子の交換により符号が変化する.通常の物質の基本粒子(陽子・中性子・電子)はすべてフェルミ粒子である.

 また,ボーズ粒子には集合する性質があり,それを利用してレーザーに使われる.逆に,フェルミ粒子には離散する性質があるため原子には電子軌道があるというわけである.

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 ひも理論によりと原子より小さい粒子は0次元の点ではなく,1次元のひもである.ひもの振動によってスピンやチャージなどのその粒子の性質が定まる.

 ひも理論の初期は力を伝達する役割を担う格子などの粒子(ボゾン)に焦点があたっていたが,1990年代にはいると,ひもを拡張して電子やクォークなど質量を与える粒子(フェルミオン)とボゾンを結びつける「超ひも」が考えられるようになった.

 さらにヒッグス粒子(神の粒子とよばれる)の発見により,質量がないボゾンと質量をもつフェルミオンとのつながり,すなわち「超対称性」がさらに念入りに調べることができるようになったのである.

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