■高校生が発見した幾何の定理(その7)

 高田の定理「円に内接する互角形の対角線から星形五角形を作る.星形五角形に含まれない三角形の外接円の交点が同一円周上にあるが,もう一つの外接円の交点も同一円周上にある.」は円だけではなく円錐曲線にまで拡張できるという.

 書店で表紙にそれらしき図の描かれている本を発見.

  [参]安藤潔・佐藤敏明「初等幾何学」森北出版

1989年,当時岩手の高校1年生だった高田英行君が発見したとある.

 正確にいうと,高田君は何回も図を描いてこの定理が成り立つことを確信したが,その証明ができない.そこで,「大学への数学」編集部に定理の真偽について質問した.そして,大槻富之助氏が反転と方ベキを利用して証明,増田一男氏もメネラウスの定理を用いて初等幾何学的に証明した.

 高田君は中学時代から数学(ときに幾何学)が好きで,ミケルの定理も知っていたそうである.高田君の非凡さに驚いた大槻氏はこの定理に高校生の名前を冠して「高田の定理」と呼び,さらに円だけではなく円錐曲線にまで発展させたのである.

===================================