■収束するやせざるや(その8)
このシリーズをまとめておきたい.
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定理(1):絶対収束級数は項の順序をどのように変えても絶対収束し,和も変わらない.(ディリクレ)
定理(2):条件収束級数は項の順序を適当に変えれば,指定された値(±∞でもよい)を和にもつようにも,振動するようにもできる.(リーマン)
絶対収束級数は項をどう並び替えても同じ値に収束する.すなわち,有限和のように振る舞い,加法の交換法則は保持されるのである.
それに対して,後者はリーマンの再配列定理(リーマンの級数定理)と呼ばれるものである.有限の和ではこのようなことは絶対に起こらないが,無限の和では加法の交換法則が成り立たないような,想像もつかない奇妙なことが起こるのである.
交代調和級数が条件収束するということは,逆にいえば,絶対収束しないことを意味している.
1/1+1/2+1/3+1/4+・・・→ +∞
このような級数は項を並び替えれ好みの実数に収束させることができるというのがリーマンの再配列定理であって,われわれの直観に反する衝撃的な結果をもたらした.
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