■お見合問題(その1)

 まず,20枚の封筒を用意して1から20までの番号を打つ.そして,20枚の紙切れにばらばらな金額を書き込んで封筒に1枚ずついれる.ゲームの参加者は封筒をひとつ選んで中に書かれている金額をそのまま受け取ってもいいし,別の封筒を選ぶこともできる.ただし,別の封筒を選んでから前の賞金の方が高いからといって後戻りして前の賞金を受け取ることはできないものとする.

 このゲームでは賞金の範囲はまったくわからないが,なるべく高い賞金を手に入れる戦略はあるのだろうか?

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【1】最適停止の理論

 実はあって,eが絡んだ秘密の公式になっている.まず,1/eを計算すると0.37という値が得られる.そこで,全封筒の37%(7枚)の封筒を開ける.そのうえでさらに8枚目の封筒を開けていくのだが,その金額がそれまでのなかでもっとも高かったらそこでゲームを止める.そうでなかったら,それまでの最高金額がでるまで続ける.(このとき,最高金額になる確率は約1/3になることが保証される.)

 この戦略は,お見合いにおける決断でも有効である.お見合いではそんなに悪くないという相手に出会っても,もう少し粘れば次はもっといい人にであえるかもしれないとついつい期待してしまうのが人情であろう.

 そこで,全部で20人と次々にお見合していくとする.最初の7人までは絶対に結婚しない.それ以降は相手がそれまでの1位だったら結婚する.

 しかしながら,実際問題として残りが少なくなるほど敷居を低くしていかざるを得ないし,全部で20人と次々にお見合するほどチャンスは多くはない.高々10人までと設定すると,最初の3人までは絶対に結婚しない.それ以降は相手がそれまでの1位だったら結婚するという戦略になるだろう.

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