■4次元図形の展開図(その2)

 秋山仁先生の講演では「キツネヘビ」「ブタハム」のような小道具を使って菱形十二面体,切頂八面体の体積を求めている.菱形十二面体と直方体の間の変身が「キツネヘビ」,切頂八面体と直方体の間の変身が「ブタハム」なのであるが,このとき多面体の形が変形するばかりでなく,菱形十二面体,切頂八面体の表面が直方体の内部に隠れることを利用して,黄色(キタキツネ)を緑(ヘビ)に変色させ,キタキツネが一瞬にしてヘビに飲み込まれる恐怖の瞬間を表現している.

 秋山先生は空間充填形同士の変身を作られているが,変身立体では平行多面体Aの表面は平行多面体Bの内部に移り,平行多面体Bの表面は平行多面体Aの内部の点から構成されている表裏翻転図形を考える.その際,平行多面体Bの表面は平行多面体Aの内部の点だけから構成されていることを変身条件とする.

 平行多面体は5種類あるが

[1]平行多面体Aは平行多面体Aに自己変身できる(5通り)

[2]平行多面体Aは平行多面体Bに別種変身できる(10通り)

つまり,平行多面体同士はすべて変身可能なのである.

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 平行多面体の変身立体についてはすでに完全な結論は得られていて,5種類ある平行多面体相互間の変身10種とそれ自身への変身5種はすべて可能であることが確認されている.

[定理]5種類あるフェドロフの平行多面体相互の「立体蝶番返し」は15通り考えられるが,アフィン変換した平行多面体への「立体蝶番返し」は常に変身可能である.

 以下には,15通りの中のひとつ,切頂八面体(黄)から菱形12面体(青)への変身を掲げる.変身の途中ではラテン十字型になり,4次元図形の展開図の様に見える(はずである).

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