■ガリレオの迷宮(その4) *
話が脇道にそれてしまったので,元に戻したい.
[Q]正40角形の頂点に(辺と対角線のうち)80本が引かれている.このとき40個の頂点に中には互いに線で結ばれていない8個の点が存在することを示せ.
8個というのはこれ以上改善できないbest possibleの結果である.なぜなら,40個の点を5個ずつ8組に分けて,それぞれの組の任意の2点間に線が引かれている状況を考えると,そのような線の引き方は全部で(5,2)・8=80本あり,40個の頂点から任意の9点を選ぶと必ずその間に線の引かれている組が含まれることになるからである.
[参]岩澤宏和「確率パズルの迷宮」日本評論社
に沿って,補足したい.
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正40角形には40・39/2=780本の辺と対角線があり,そのうち80本だけが線を引かれている.
もし,4個の点の存在を示せというのならば,より容易になる.4点から2個の点の組を作る場合の数は(4,2)=6である.そのそれぞれの組について,線が引かれている確率は80/780=4/39なので,6つの組の中で線が引かれている組の数の期待値は
6・4/39<1
となるので,互いの間ではひとつも線が引かれていない4個の点の集合が存在することになる.
このことをもう少し一般化してみよう.もし,n個の点を選び,その中に互いに線で結ばれている2点があれば,一方の点を取り除くことにする.n個の点から2点を選ぶ組み合わせは
n(n−1)/2
通りあり,線が引かれている確率は
80/780=4/39
したがって,線が引かれている組の期待数は
n(n−1)/2・4/39
となる.
ここで取り除く点を除去したあとに残る点の期待値は,
n−n(n−1)/2・4/39=5.38<6
なので,互いの間ではひとつの線も引かれていない6点集合が存在する.
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