(その28)では楕円の随伴曲線の組み合わせからなるローターを設計した.このロ−ターの弧は区分的に接続されたものではないという特徴をもっていて,これまでこのシリーズで掲げたものとはまったく異なるものである.
特異点をもたずに正三角形に内接しながら回転することができる円以外の図形としては,たとえば,
x=3sinθ+cos^3θ
y=−3cosθ−sin^3θ
などが知られているが,特異点がないことのメリットとしてプログラムも非常に簡単なものになった.
(その28)はオ−バーレイだったが,今回はそのアニメを掲載する.また,厳密な外包絡線とはならないと思われるが,ローターの頂点の軌跡がその近似になるので重ねて描いてみた.接点と正n角形の頂点との距離の大まかな目安としてほしい.
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【1】三角の穴をあけるドリル
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【2】四角の穴をあけるドリル
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【3】五角の穴をあけるドリル
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【4】六角の穴をあけるドリル
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【5】雑感
藤原・掛谷の二角形を用いると,接点と正三角形の頂点との距離が0となり正三角形の隅々まで穴をあけることのできるドリルを製作することができるのであるが,
(1)非円形歯車が必要になること
(2)歯車がローターからも外枠からもはみ出すこと
が製作上の問題点であった.
ここで設計したドリルは,中心の軌道が円軌道であるから円形歯車だけで済み,はみ出しもないことからn(>3)角の穴をあけるドリルと同様に扱うことができる.これは製作上大きなメリットである.三隅の隅々まで完全な正三角形の穴をあけることはできないものの,ほぼ満足のいく概三角の穴をあけることは可能である.
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