■置換多面体の空間充填性(その181)
 4次元正多胞体の頂点数,辺数,面数,胞数を掲げる.
       頂点数   辺数   面数    胞数
5胞体      5   10   10     5
8胞体     16   32    24   16
16胞体     8   24    32    8
24胞体    24   96    96   24
120胞体  600 1200   720  120
600胞体  120  720  1200  600
 次の表で(p,q)の組合せを調べると,それぞれ5個の4面体がf3,8個の立方体がf316個の4面体がf3,24個の8面体がf3,120個の12面体がf3,600個の4面体がf3である正多胞体であることを示している.
      境界多面体 境界面p 頂点に集まる面q 辺に集まる胞r
5胞体   正4面体    3        3       3
8胞体   立方体     4        3       3
16胞体  正4面体    3        3       4
24胞体  正8面体    3        4       3
120胞体 正12面体   5        3       3
600胞体 正4面体    3        3       5
 また,この2つの表では,それぞれの詳細について,たとえば,正600胞体(4次元正20面体)は頂点数120,稜数720,正三角形数1200で,600個の正4面体状胞体が各辺のまわりにr=5個ずつ集まっているという状況にあることがわかる.
 このことをすべての正多胞体について記すのはやめておくが,言葉で説明する(あるいはこれを描く)のは易しいが,これを理解するのがいかに難しいかわかるだろう.
 端的にいって,人間の直観や勘が働くのはたがだか3次元空間までで,次元が大きくなるに従い,格子点の配位は非常に複雑となり,われわれが3次元空間でイメージするものとは大きく異なってくる.すなわち,高次元では幾何学的直観が効かないので,多胞体は理解するのが難しい対象ということなのである.
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