■置換多面体の空間充填性(その171)

 (その168)の変数を増やしてみる.1個付け加わえただけでかなり面倒になった.

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  2(2^n−1)胞体 → cosδa=−1/n,sinδa=√(n^2−1)/n^2

  2^n+2n胞体 → cosδb=−1/√n,sinδb=√(n−1)/n

  2^n+2n胞体 → cosδc=−(n−2)/n,sinδc=2√(n−1)/n^2

より,

  u=−1/n+i√(n^2−1)/n^2

  v=−1/√n+i√(n−1)/n

  w=−(n−2)/n+xi√(n−1)/n^2

とおく.|u|=1,|v|=1,|w|=1

 3種類の正多面体での分解合同(分解相似?)の関係式は

  n1δa+nδb+n3δc≠kπ

  n1δa+nδb+n3δc≠0  (mod π)

と書くことができる.

 u=−1/n+i√(n^2−1)/n^2については,

  u+1/n=i√(n^2−1)/n^2

より,uは2次方程式nu^2+2u+n=0の解である.

  nu^2=2u+n

  n^2u^3=2nu^2+n^2u=2(2u+n)+n^2u

      =(4+n^2)u+2n

帰納法により

  n^m-1u^m=a1u+b1   (a1≠0,b1=0 mod n)

を示すことが出来る.

 同様に,w=−(n−2)/n+i2√(n−1)/n^2については,

  w+(n−2)/n=i2√(n−1)/n^2

より,wは2次方程式nw^2+2(n−2)w+n=0の解であり,

  n^m-1w^m=a2w+b2   (a2≠0,b2=0 mod n)

  v=−1/√n+i√(n−1)/n

  v+1/√n=i√(n−1)/n

  nv^2+2√nv+1=0

  n^m-1v^m=a3v+b3   (a3≠0,b3=0 mod n)

がいえる.

 ここで,複素数の積

  Z=n^N1-1u^N1・n^N2-1w^N2・n^N3-1v^N3

を考える.複素数の掛け算は偏角の足し算に対応し,実数n^N1-1,n^N2-1,n^N3-1の偏角はすべて0であるから,Zの偏角

  Arg(Z)=Arg(u^N1・w^N2)=Arg(u^N1)+Arg(w^N2)+Arg(v^N3)

がnπにならないこと,すなわち,u^N1・w^N2・v^N3の虚部

  Im(u^N1・w^N2・v^N3)

が0にはならないことがいえればよいことになる.

 結局

  Z=(a1u+b1)(a2w+b2)(a3v+b3)=Re+Imi

  Im≠0

  a1≠0,b1=0   (mod n)

  a2≠0,b2=0   (mod n)

  a3≠0,b3=0   (mod n)

に帰着されれば,N1δa+N2δc+N3δbは有理係数で線形独立であり,必要な原子が最低3種類という結論が主張できることになる.

 実際,

  Im=a1√(n^2−1)/n^2{((−a2(n−2)+b2n)(−a3+b3√n)/n√n−2(n−2)+2a2a3√(n−1)/n^2・√(n−1)/n}

+2a2√(n−1)/n^2{(−a1+b1n)(−a3+b3√n)/n√n−a1a3√(n^2−1)/n^2・√(n−1)/n}

+√(n−1)/n{(−a1+b1n)(−(n−2)a2+b2n)/n^2−

a1a2√(n^2−1)/n^2・√(n−1)/n^2}

と展開されるが,a1(a2+b2n)≠0により,Im≠0がいえる.すなわち,n(≧5)次元の正多胞体の元素数は≧3である.→n>3では,空間充填2^n+2n胞体と空間充填2(2^n−1)胞体は分解合同ではない.

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