■置換多面体の空間充填性(その168)
mδ4=m1δ1+m2δ2 (modπ)
でなくて,
mδ4=m2δ2 (modπ)
でも十分であると思われる.
これはn(≧5)次元の正多胞体元素定理の証明とそっくりである.すなわち,・・・
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正n+1胞体 → cosδa=1/n,sinδa=√(n^2−1)/n
正2n胞体 → cosδb=0,sinδb=1
正2^n胞体 → cosδc=−(n−2)/n,sinδc=2√(n−1)/n
より,
u=1/n+√(n^2−1)/ni
v=i
w=−(n−2)/n+√(n−1)/ni
とおく.|u|=1,|v|=1,|w|=1
3種類の正多面体での分解合同(分解相似?)の関係式
n1δa+nδb+n3δc≠kπ
n1δa+nδb+n3δc≠0 (mod π)
は,δb=π/2より,
N1δa+N2δc≠0 (mod π)
とより簡潔に書くことができる.
u=1/n+i√(n^2−1)/nについては,
u−1/n=i√(n^2−1)/n
より,uは2次方程式nu^2−2u+n=0の解である.
nu^2=2u−n
n^2u^3=2nu^2−n^2u=2(2u−n)−n^2u
=(4−n^2)u−2n
帰納法により
n^m-1u^m=a1u+b1 (a1≠0,b1=0 mod n)
を示すことが出来る.
同様に,w=−(n−2)/n+2√(n−1)/niについては,
w+(n−2)/n=i2√(n−1)/n
より,wは2次方程式nw^2+2(n−2)w+n=0の解であり,
n^m-1w^m=a2w+b2 (a2≠0,b2=0 mod n)
がいえる.
ここで,複素数の積
Z=n^N1-1u^N1・n^N2-1w^N2
を考える.複素数の掛け算は偏角の足し算に対応し,実数n^N1-1,n^N2-1の偏角はすべて0であるから,Zの偏角
Arg(Z)=Arg(u^N1・w^N2)=Arg(u^N1)+Arg(w^N2)
がnπにならないこと,すなわち,u^N1・w^N2の虚部
Im(u^N1・w^N2)
が0にはならないことがいえればよいことになる.
結局
Z=(a1u+b1)(a2w+b2)=Re+Imi
Im≠0
a1≠0,b1=0 (mod n)
a2≠0,b2=0 (mod n)
に帰着されれば,N1δa+N2δcは有理係数で線形独立であり,必要な原子が最低3種類という結論が主張できることになる.実際,
Im=√(n−1)/n^2{2a2(a1+b1n)+a1(a2+b2n)√(n−1)}
と展開されるが,a1(a2+b2n)≠0により,Im≠0がいえる.すなわち,n(≧5)次元の正多胞体の元素数は≧3である.→n>3では,空間充填2^n+2n胞体と空間充填2(2^n−1)胞体は分解合同ではない.
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