(その19)ではnサイクル・ロータリーエンジンのアニメを示しましたが,それをオーバーレイさせると,ローター曲線をなす曲線族が覆っている領域の境界に新しい曲線が得られます.この曲線を包絡線と呼ぶのですが,外包絡線はペリトロコイド曲線にほかなりません.今回の問題は内包絡線の方程式を求めることです.
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【1】nサイクルのロータリーエンジンの外包絡線
[1]n=3
[2]n=4
[3]n=5
[4]n=6
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【2】包絡線の求め方
ローター曲線が円弧の組み合わせであれば,曲率中心の軌道を求めることによって簡単に包絡線が得られるのですが,ローター曲線は円弧ではありません.そこで,(その18)で行ったのと同様の手続きを,今度はローター曲線の運動族
x=Rcos(β+γ−θ+φ)+acos((n−1)β−θ+φ)+acos((n−2)θ+φ)+acos((n−1)φ)
y=Rsin(β+γ−θ+φ)+asin((n−1)β−θ+φ)+asin((n−2)θ+φ)+asin((n−1)φ)
θ=β−2/(n−1)arctan(Rsin((n−2)β−γ)/(Rcos((n−2)β−γ)+(n−1)a))
に対して施すことになります.
(∂y/∂β)(∂x/∂φ)−(∂y/∂φ)(∂x/∂φ)=0
を計算すると
Asin((n−2)φ−(n−2)θ)+Bcos((n−2)φ−(n−2)θ)=C
の形に整理されます.
A,B,Cの具体的な形は割愛し考え方を示すにとどめますがますが,ここで
cosψ=A/(A^2+B^2)^(1/2),
sinψ=B/(A^2+B^2)^(1/2),
tanψ=B/A
とおくと,
sin((n−2)φ−(n−2)θ+ψ)=C/(A^2+B^2)^(1/2)
より
(n−2)φ=(n−2)θ−arctan(B/A)+arcsin(C/(A^2+B^2)^(1/2))
=(n−2)θ−arctan(B/A)+arctan(C/(A^2+B^2−C^2)^(1/2))
これで,φをβ,θ(β)の関数として表すことができ,包絡線は1パラメータ曲線:x=x(β),y=y(β)となるというわけです.(その18)ではうまい形に変形することができたのですが,この問題ではうまい変形が見つからず,力任せのかなり大変な計算になりました.
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【3】nサイクルのロータリーエンジンの内包絡線
[1]n=3
[2]n=4
[3]n=5
[4]n=6
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