■置換多面体の空間充填性(その80)

 これまで,切頂八面体を{3,4}(110)={4,3}(011),{3,3}(111)で表してきたが,切頂八面体は通常(4,6,6)で表される.

 この表記法の利点は,面数を求めるのに役立つことである.f0=24を既知とすると

  f2=(1/4+2/6)f0=6+8=14

  f1=(1/2+2/2)f0=12+24=36

このように,x/a+y/bの(a,b)の組み合わせを変えることによって,面数を算出することができる.

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 (4,6,6)について,もう一度調べてみることにしたい.正方形面の数をx,正六角形面の数をyとすると,

[1]大域条件

  f2=x+y

  4x+6y=2f1

  3f0=2f1

  f0−f1+f2=2

[2]局所条件

  f2=(1/4+2/6)f0

  f1=(1/2+2/2)f0

[注]f2=(x/4+y/6)f0

   f1=(x/2+y/2)f0ではない.

 変数の数は5,式の数は6であるが,

  f1=(1/2+2/2)f0

  3f0=2f1

に等しいので,変数の数は5,式の数も5である.

 局所条件をオイラーの多面体公式に代入すると

  f0−18/12f0+7/12f0=2→f0=24,f1=36,f2=14

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 (4,6,8)についても調べてみることにしたい.正方形面の数をx,正六角形面の数をy,正八角形面の数をzとすると,

[1]大域条件

  f2=x+y+z

  4x+6y+8z=2f1

  3f0=2f1

  f0−f1+f2=2

[2]局所条件

  f2=(1/4+1/6+1/8)f0

  f1=(1/2+1/2+1/2)f0  (3f0=2f1)

 変数の数は6,式の数は実質的には5であるが,局所条件をオイラーの多面体公式に代入すると

  f0−36/24f0+13/24f0=2→f0=48,f1=72,f2=26

[注]どちらの例でもx,y,zを使わずに,局所条件とオイラーの多面体公式だけで解くことができたことに留意されたい.

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