■ランダム行列(その3)

 対角要素はN(0,2),非対角要素はN(0,1)に従うとする.このとき,要素の確率密度関数は

  p{sij}=Cexp(−tr(S^2)/4)

固有値の同時確率密度関数は

  p{λ1,・・・,λN}=Cexp(−Σ(λi^2)/4)Π|λi−λj|

に従う.

 また,与えられた関数φに対して

  1/N・Σφ(λi/√N)→1/2π・∫(-2,2)φ(x){4−x^2)^1/2dx

が成り立つというのが,ウィグナーの半円則である.

[補]要素が実数の対称N×N正方行列では行列のサイズが無限になるとき,固有値の分布は半円になるが,非対称行列では固有値は複素数になるので,固有値の分布は複素平面上で円や楕円になる.また,非正方行列ではマルチェンコ・パスツール則が成り立つ.

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