■多面体巡礼の双対問題(その2)

 立方体の表面に立方体を6等分した四角錐を6個貼り付けると菱形12面体が得られる.あるいは,正八面体の表面に正四面体を4等分した三角錐を8個貼り付けると菱形12面体が得られる.正八面体を各辺の1/3の点で切頂する.あるいは,立方体を各辺の3/4の点で切頂すると,切頂八面体が得られる.

 正八面体の辺を黄金比で分割した点を結ぶと正二十面体が得られる.このとき,正二十面体と正八面体は面を共有している.正20面体の中には立方体が頂点を共有した形で埋め込まれているが,立方体の辺は正五角形の対角線になるからその比は黄金比である.

 これらは互いに双対関係にあるので,驚くには値しないかもしれないが,・・・

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【1】ねじれ準正多面体の生成

 三角形ABCの各辺を1:λの比に順次内分した点D,E,Fとし,AD,BE,CFの2本ずつの交点が作る三角形PQRを仮に「縮小三角形」と呼ぶことにする.正三角形の縮小三角形は正三角形である.

[1]正二十面体(3,3,3,3,3)は,正四面体の縮小三角形(λ=1.618,黄金比)から生成される(ねじれ角:22.238°).

[2]ねじれ立方体(3,3,3,3,4)は,正八四面体の縮小三角形(λ=1.839)から生成される(ねじれ角:20.315°).

[3]ねじれ十二面体(3,3,3,3,5)は,正二十面体の縮小三角形(λ=1.943)から生成される(ねじれ角:19.517°).

 それそれ(3,3,3,3,q)とすると,λは

  λ^3− λ^2−λ−1−2cos(2π/q)=0

の根として計算できる.

[1]q=3 → λ^2−λ−1=0

[2]q=4 → λ^3−λ^2−λ−1=0

[3]q=5 → λ^3−λ^2−λ−φ=0

 ねじれ角は

  tanθ=√3/(1+2λ)

で与えられる.

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