■シルエット問題と切り口問題(その3)

[Q]同じ大きさの正4面体2個のうち,1個を天地逆転させ,もう1個の正四面体に重ねた場合,その外側と内側にはどのような立体ができるでしょうか?

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 上から見ても,前から見ても,横から見ても,同じ6角形に見える3次元図形を想像されたのではないでしょうか? そうであれば,菱形12面体などが答えとなります.

 この答えは間違っているのですが,センスは悪くはありません.なぜかというと,正4面体と正4面体の相貫体ではなく,立方体と正8面体の相貫体を考えると,相貫体の外側には菱形12面体,内側には立方8面体ができるからです.

 すなわち,立方体と正8面体の相貫体は,外側を菱形12面体(直交する対角線の比が1:√2の菱形12面)が,内側には立方8面体(正方形6面+正3角形8面)が入っています.

 ついでに,正12面体と正20面体の相貫体について考えてみると,外側を包む立体が菱形30面体(直交する対角線の比が黄金比になっている菱形30面),内側には12・20面体(正5角形12面+正3角形20面)という多面体が内包されているのです.

 3種類の相貫体−−正4面体と正4面体,立方体と正8面体,正12面体と正20面体−−について調べてみると,それぞれの立体の間に双対関係があり,3種類の相貫体の外側にできる立体と内側にできる立体−−立方体と正8面体,菱形12面体と立方8面体,菱形30面体と12・20面体も互いに双対関係をもっていることがわかります.そして,これらもやはり相貫体をつくることができ,そしてまたそこに現れてくる外側と内側の立体も双対関係になっています.頂点と面に関しての双対性にはうまくできているなと感嘆させられます.自然界の法則性,自然が作るきれいな関係の1例といえましょう.

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