■単純リー環を使った面数数え上げ(その181)
オイラーの多面体公式を学ぶシーンでは,まず,多面体の頂点数,辺数,面数を数え上げることになる.実際にやってみると,小中学生あるいは高校生であっても「あれ,この辺,数えたっけ?」ということになり,なかなか空欄は埋まらない.
3次元の場合でも正20面体くらいになると誤答が続出する.その結果,
v−e+f=2
にはなかなかたどり着けないのである.
ところで,3次元では実際に数えることもできるが,4次元以上ともなるとみることも数えることもできないし,直観も効かなくなる.ではどうするか?
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高次元幾何学では直観が半分,計算が半分である.直観ばかりでは3次元人はピットホールに陥ること必定であるから,計算しながら裏付けをとっていくことが必要である.二つのバランスがうまくとれないと進歩はままならない.
当初,一般の準正多胞体について,効率的なk次元面数の数え上げや体積計算法は十中八九ないと思われた.つまり,はじめは複雑な問題・手強い問題だと感じていたが,問題をついに解決したとたんに,結局のところ実に単純な問題だったことが判明した.
n次元準正多胞体のk次元面数や体積の問題について,誰も見たことができなかったものを見ることができるようになったことは大きな進歩であった.
しかも,ワイソフ構成は誰もが見たことはあるが,誰もDNAとは考えなかった.誰もが見たことはあるが,考えたことがなかったものについて考えることができたのは望外の喜びであった.
なお,ワイソフ構成はコクセターに拠る命名であることがわかっているが,コクセター論文を読むと,まったく0/1コードは使われていない(ミスノーマーである可能性が高い).
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