■立方体と正八面体の断面(その3)

 高次元の立方体や正軸体の中心を通る平面で切ったときの形については,コクセター"Regular Polytopes",Doverなどで言及されているが,あまり重要な結果とは思えないというのが大方の意見であろう.

 私はそうとは思わない.たとえば,立方体と正八面体をうまく切るとどちらの場合も正六角形が現れる.次に,4次元立方体と4次元正軸体を同じ切断面で切ると,同じ図形が現れると思いきや,異なる図形となる.

 同じ図形が現れるというのが,多くの人の予想であろう.かくいう私も立方体と正八面体は双対であるから同じ図形が現れたので,4次元立方体と4次元正八面体も双対であるから,同じ図形になるはず・・・と考えたが実際はそうではなかった.高次元図形については直観が効かず,やってみるまではわからないということであろう.

 高次元図形について,あまり怖じ気づく必要はない.私の経験でいうと,高次元図形の計量について,はじめは複雑な問題・手強い問題だと感じていたが,問題をついに解決したとたんに,結局のところ実に単純な問題だったことが判明したからである.

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