■単純リー環を使った面数数え上げ(その126)

 一気に2^n+2n胞体の体積を求めるのは難しそうなので,正軸体系の整数多面体(格子多面体)の場合を計算してみたい.

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【1】整数多面体の場合

[1]切頂・切稜点

 n次元正軸体の頂点の座標は

  (1,0,・・・,0)

  (0,1,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・

  (0,0,・・・,1)

で与えられるから,基本単体の座標はk次元面の重心をとることによって,

  p0(1,0,・・・,0)

  p1(1/2,1/2,0,・・・,0)

  p2(1/3,1/3,1/3,0,・・・,0)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・

  pn-1(1/n,1/n,1/n,・・・,1/n)

  pn(0,0,・・・,0)

 3次元の場合,x≧y≧z≧0なる点P(x,y,z)が与えられたとき,ずべての稜線の長さが等しくなるのは,点P(x,y,z)からx=y平面,y=z平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2,z=0

 → y=y

   x=2y

これらは,x+y+z=1上の点であるから代入すると,

  2y+y=1 → z=0,y=1/3,x=2/3

また,辺の長さはy√2.

 4次元の場合は,点P(x,y,z,w)からx=y平面,y=z平面,z=w平面までの距離を等しくとると

  (x−y)/√2=(y−z)/√2=(z−w)/√2,w=0

 → z=z

   y=2z

   x=2y+z=3z

これらは,x+y+z+w=1上の点であるから代入すると,

  6z=1 → w=0,z=1/6,y=2/6,z=3/6

また,辺の長さはz√2

 一般には,S=n(n−1)/2として

 → Sz=1,ω=0,z=1/S=2/n(n−1)

   x=(n−1)z,y=(n−2)z,・・・,z=z,ω=0

となることが理解される.

[2]中心から各面までの距離

 切頂切稜面はPkPnに垂直で,点

  Q=(x1,・・・,xn),x1=x,x2=y,・・・,xn=ω=0

を通る.

PnP0=(1,0,・・・,0)

PnP1=(1/2,1/2,0,・・・,0)

PnPn-1=(1/n,・・・,1/n,1/n)

 ファセットを定めている不等式は,

  a・x=c

で与えられる.一般に,超平面a・x=cと点x0の距離は

  |a・x0−c|/‖a‖

とくに,原点からファセットまでの距離は|c|/‖a‖となる.

 PnP0に垂直なn次元超平面が点Qを通るので,

  a=(1,0,・・・,0)

  q=(x1,x2,x3,・・・,xn)

とすると,この超平面をa・(x−q)=0,a・x=a・q=cで表すと

  c0=x1

  h0=|c0|/‖a‖,‖a‖=(1^2)^1/2

 PnP1に垂直なn次元超平面では,辺心は

  a=(1/2,1/2,0,・・・,0)

  c1=(x1+x2)/2

  h1=|c1|/‖a‖,‖a‖=((1/2)^2+(1/2)^2)^1/2=1/√2

 PnPn-1に垂直なn次元超平面では,胞心は

  a=(1/n,・・・,1/n,1/n)

ここには切頂・切稜は施されないので,胞心面までの距離は1/√nであるが,同様に

  cn-1=(x1+x2+・・・+xn)/n=1/n

  hn-1=|cn-1|/‖a‖,‖a‖=((1/n)^2+・・・+(1/n)^2)^1/2=1/√n

  ‖ak‖^2=1/√k

 辺の長さを1に規格化する.

  Hk=hk/z√2=hkn(n−1)/√2

原正多胞体の面数公式を

  Nk^(n)=2^(k+1)nCk+1

とすると,整数多面体の体積公式は

  Λn=(N0Λn-1V0H0+N1Λn-2V1H1+・・・+Nn-2Λ1Vn-2Hn-2+Nn-1Λ0Vn-1Hn-1)/n

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