■中国剰余定理とnつ子素数(その4)
[参]米谷達也,斉藤浩「大学数学への道」現代数学社
より,六つ子素数の問題を掲げる.
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[Q3] (p−10,p−6,p−4,p,p+2,p+6)がともに素数となるp(19400≦p≦19599)を求めよ.
pを7で割った余りをm(1≦m≦6)とする.p=7k+m
p−10=7(k−1)+(m−3)
p−6=7k+(m−6)
p−4=7k+(m−4)
p+2=7(k+1)+(m−5)
p+6=7(k+1)+(m−1)
したがって,m≠3,6,4,5,1→m=2
ここで,pを7で割った余りを考えたが,同様に
pを5で割った余りを考えると→m=2
pを3で割った余りを考えると→m=2
→p−2は3,5,7の公倍数→105の公倍数となる.
→pは奇数なので,p−2=105(2m+1)→p=210m+107
→19400≦p≦19599より,m=92,p=19427
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最後の部分は中国剰余定理を用いてもよい.
連立合同式
x=1 (mod2)
x=2 (mod3)
x=2 (mod5)
x=2 (mod7)
を計算しよう.
x=x1+2x2+6x3+30x4とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3+30x4=x1=1 (mod2)→x1=1がこの合同式の解である.
→x=1+2x2+6x3+30x4を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3+30x4=1+2x2=2 (mod3)→2x2=1 (mod3)→x2=2がこの合同式の解である.
→x=5+6x3+30x4を3番目の式に代入する.→5+6x3=2 (mod5)→6x3=−3 (mod5)→x3=2がこの合同式の解である.
→x=17+30x4を4番目の式に代入する.→17+30x3=2 (mod5)→30x4=−15 (mod7)→x4=3がこの合同式の解である.
x=107となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は
x=107 (mod210)
である.
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