■中国剰余定理とnつ子素数(その2)

 (p,p+4,p+6)がともに素数となるとき,三つ子素数と定義した場合も同じだろうか?

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【1】三つ子素数

p=1(mod3)のとき,p+4=2  (mod3)

             p+6=1  (mod3)

p=2(mod3)のとき,p+4=0  (mod3)

             p+6=2  (mod3)

→pは3n+1型素数でなければならない.

p=1(mod5)のとき,p+4=0  (mod5)

             p+6=2  (mod5)

p=2(mod5)のとき,p+4=1  (mod5)

             p+6=3  (mod5)

p=3(mod5)のとき,p+4=2  (mod5)

             p+6=4  (mod5)

p=4(mod5)のとき,p+4=3  (mod5)

             p+6=0  (mod5)

→pは5n+2型素数あるいは5n+3型素数でなければならない.

[1](2n+1,3n+1,5n+2)の場合,連立合同式

  x=1  (mod2)

  x=1  (mod3)

  x=2  (mod5)

を計算しよう.

x=x1+2x2+6x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3=x1=1  (mod3)→x1=1がこの合同式の解である.

→x=1+2x2+6x3を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3=1+2x2=1  (mod3)→2x2=0  (mod3)→x2=0がこの合同式の解である.

→x=1+6x3を3番目の式に代入する.→1+6x3=2  (mod5)→6x3=1  (mod5)→x3=1がこの合同式の解である.

 x=7となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は

  x=7  (mod30)

である.

[2](2n+1,3n+1,5n+3)の場合,連立合同式

  x=1  (mod2)

  x=1  (mod3)

  x=3  (mod5)

を計算しよう.

x=x1+2x2+6x3とおいて,最初の式に代入する.→x1+2x2+6x3=x1=1  (mod3)→x1=1がこの合同式の解である.

→x=1+2x2+6x3を2番目の式に代入する.→1+2x2+6x3=1+2x2=1  (mod3)→2x2=0  (mod3)→x2=0がこの合同式の解である.

→x=1+6x3を3番目の式に代入する.→1+6x3=3  (mod5)→6x3=2  (mod5)→x3=2がこの合同式の解である.

 x=13となるので,中国剰余定理より連立合同式の解は

  x=13  (mod30)

である.

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【3】まとめ

 三つ子素数(p,p+4,p+6)について,mod3,mod5で考えた結果,pは30n+7型素数あるいは30n+13型素数でなければならないことがわかった.

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