■12・12面体の計量

 そろそろクリスマスなので,星にちなんだ多面体を設計しておきたい.星形多面体といっても大十二面体(GD)などケプラー・ポアンソの多面体はすでに木工製作済みであるから,今回は12・12面体(dodecadodecahedron:DD)を取り上げてみたい.

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【1】12・12面体(DD)

 12枚の正5角形と12枚の星形5角形からなる,面が自己交差する図形で,各頂点には2枚の正5角形と2枚の星形5角形が集まっている.

 直観的には,正12面体の各面を星形5角形に置換した様な形をしている.とはいっても星形5角形は正5角形の頂点に内接したペンタグラムではなく,正5角形の辺の中点に内接した形になっていることに注意されたい.

 なお,正5角形の1辺の長さを1とする通常のペンタグラムは,対角線の長さがτであって,それが1/τ:1/τ^2:1/τに内分される.

  τ=1/τ+1/τ^2+1/τ

  τ^3=2τ+1=τ^2+τ

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【2】12・12面体の計量

 1辺の長さ(1+1/τ^2)^1/2の正12面体を考える.すると7個の頂点は

  A(τ/2,y,z)

  B(τ/2−x,y,z)

  C(τ/2−x,−y,z)

  D(τ/2+x/√5,y,z−2x/√5)

  E(τ/2+x/√5,−y,z−2x/√5)

  F(τ/2−x+x/√5,2y,z−2x/√5)

  G(τ/2−x+x/√5,2y,z−2x/√5)

となる.

 ただし,

  y=1/4τ・(1+1/τ^2)^1/2

  x=y・cot(π/10)

  z=τ^2/2

 計算すると,辺の長さは

  0.587786,0.363271(=2y),0.726543(=4y)

二面角は

  116.565°,63.453°

となる.

 この楔状多面体を正12面体の辺数の分だけ配置すると,12・12面体を構成することができる.

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