■基本単体の計量(その10)
これまでの結果を「正多面体の元素定理」の立場からみてみたい.
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正多面体の元素定理の主張することは,5種類ある正多面体の元素数は4である,もっと限定していえば,正四面体・正八面体・立方体の元素数は2であるということである.
このことは立方体からテトラドロン(trirectangular tetrahedron)を4個切り出すと,中央に正四面体が残り,テトラドロン8個で正八面体を構成することができることから容易に理解される.
一方,(その8)で述べたことは
[a]正四面体の基本単体
[b]正八面体の基本単体から正四面体の基本単体を差し引いた残り
[c]立方体の基本単体−正八面体の基本単体−正四面体の基本単体
の3種類の元素で,正四面体・正八面体・立方体・菱形十二面体が構成できるということである.
正多面体の元素定理から,正四面体・正八面体・立方体の元素数は2,したがって,正四面体・正八面体・立方体・菱形十二面体の元素数は3であることは自明である.
したがって,別の形の元素ということはいえるが,その一組にすぎないと考えれば,あまり面白味は感じられないかもしれない.
しかし,おもしろいのはその構成法である.テトラドロンの辺の等分点だけを利用して,3種類の元素a,b,cを構成できるのである.
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