■マクドナルド恒等式入門(その7)
(その5)では,
中央二項係数:(2n)!/(n!)^2
中央三項係数:(3n)!/(n!)^3
中央k項係数:(kn)!/(n!)^k
とダイソン・マクドナルド恒等式の関係を述べた.これらは円周率πの計算にも登場するのである.
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【1】ラマヌジャンの1/π公式(1914年)
1/π=2√2/99^2Σ(4k)!(1103+26390k)/(4^k99^kk!)^4
長い間証明されなかった異色の式である.収束は速い.
中央四項係数(4k)!/(k!)^4が出現している.
ラマヌジャンのノートには類似の公式が17個も書き綴ってあったそうである.その中からひとつだけ紹介すると
1/π=Σ(2n,n)^3(42n+5)/(2^12n+4)
中央二項係数(2n,n)が出現している.
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【2】チュドノフスキーの式
ラマヌジャンの式
1/π=2√2/9801・Σ(4n)!(1103+26390n)/(n!)^4(396)^4n
に刺激されて,チュドノフスキーの式
1/π=Σ(−1)^n(6n)!(163096908+6541681608n)/(3n)!(n!)^3(262537412620768000)^n+1/2
が考案されている.
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