■スターリングの公式の同値な言い換え(その1)

[1]スターリングの公式の同値条件

 スターリングの公式は

  n!〜√(2πn)n^nexp(−n)

ですが,ゼータ正規化積

  Πn=√(2π)

という解釈を与えることができる.

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[2]ウォリスの公式の同値条件

 ウォリスの公式

  lim1/√n・2・4・・・(2n)/1・3・・・(2n−1)=√π

  sin(π/2)=1

と同値である.

(証)sinxの無限積表示

  sinx=xΠ(1−x^2/n^2π^2)

を用いると,

  sin(π/2)=π/2Π(1−1/4n^2)

 ここで,

  Π(1−1/4n^2)=Π(2n−1)(2n+1)/(2n)^2

={1・3・・・(2n−1)/2・4・・・(2n)}^2√n=1/√π

 したがって,

  sin(π/2)=1

←→lim{1・3・・・(2n−1)/2・4・・・(2n)}^2(2n+1)=2/π

←→lim{1・3・・・(2n−1)/2・4・・・(2n)}(2n+1)=2/π  (ウォリスの公式)

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[3]ウォリスの公式の同値条件(その2)

 ウォリスの公式

  lim1/√n・2・4・・・(2n)/1・3・・・(2n−1)=√π

  Γ(1/2)=√π

と同値である.

(証)Γ(x)の無限積表示

  Γ(x)=1/x・exp(−γx)Π{(1+x/n)^-1exp(x/n)}

を用いると,

  Γ(1/2)=2・exp(−γ/2)Π{(1+1/2n)^-1exp(1/2n)}

 ここで,右辺は

2n/(2n+1)exp(1/2(1+1/2+・・・+1/n−logn)−γ/2))・1/√n・2・4・・・(2n)/1・3・・・(2n−1)

となるので,

  Γ(1/2)=lim1/√n・2・4・・・(2n)/1・3・・・(2n−1)=√π

が確認される.

 なお,

  Γ(x)=1/x・exp(−γx)Π{(1+x/n)^-1exp(x/n)}

  Γ(1−x)=(−x)Γ(−x)

=exp(γx)Π{(1−x/n)^-1exp(−x/n)}

より,

  Γ(x)Γ(1−x)=1/x・Π{(1−x^2/^2n)^-1

=π/sin(πx)

が得られる.

 これは三角関数が2つのガンマ関数の積に分解できることを意味している.

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