■求積の多様性を考える(その3)
立方八面体は,正八面体の頂点を6箇所一斉に辺の中点を結ぶ平面で切頂した後の図形である.
切頂される四角錐の高さはH/2であるから,切頂八面体ともとの正八面体と体積比は
2−6/8:2=5:8
になる.
以下の写真は,中川宏さんによる立方八面体を8個組み合わせた木工模型で,立方八面体と正八面体で空間充填図形となることがわかる.
そのもとになったビル(アメリカ人)のベクトル平衡模型を掲げる.
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【1】立方八面体の体積
立方八面体は江戸時代には「切子」と呼ばれていた.お盆の仏事供養に用いられる切子灯篭をご存知の方も多かろう.各頂点には2つの正方形と2つの正三角形が集まるから[3,4,3,4]とも略記される.
立方体の頂点を8箇所一斉に辺の中点を結ぶ平面で切頂した後の図形と考えてもよい.その場合,立方体の1辺の長さ2とすれば,切り落とされる三角錐の体積は1/6であり,それが8個あるから,立方八面体ともとの立方体と体積比は
(8−8/6):8=5:6
になる.
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【2】切子の体積
立方八面体以外にもいろいろな切子がある.
[1]切頂八面体
立方体の辺を3等分して,その点を通るように8個の角を切頂した図形.[3,8,8]
[2]切頂四面体
正四面体の辺を3等分して,その点を通るように4個の角を切頂した図形.[3,6,6]
これらの体積の求め方は,宿題として遺しておきたい.
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