■幾何学におけるマイ未解決問題(その23)
距離を定義できるグラフとしては,ツリーや正方格子があげられる.
[1]ツリーは2点間の距離が一意に定まるが,ループを有するグラフでは一意に定まらなくなる.
[2]正方格子では2点を定めてもその経路は一意に定まらないが,マンハッタン距離はどの経路であっても同じである.
[3]n次元立方体の頂点間のマンハッタン距離がハミング距離である.
[Q]多面体自体が距離空間みたいなものであるが,ここでは2つの多面体,たとえば(010110)と(101001)の距離をどう定義するか,自然な距離構造を導入することはできるか?
について考える.
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この問題については一応の解決をみたといってよいであろう.
[A]コードを高次元立方体に関連づけるのが,「ハミング距離」である.さらに,格子とそれにぶら下がったn−立方体にグラフ距離(最短距離)を入れれば,(離散的)距離空間になる.
この概念は2つの文字列がまったく同じときのみ0になり,三角形のどの辺の長さもほかの2辺の長さの和以下になるなど,距離空間の性質をもっている.
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