■単純リー環を使った面数数え上げ(その75)

 これまでのこのシリースをまとめておきたい.

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[1]ワイソフベクトルから,f0,f1,fn-1を求めることはすでに可能であったが,f2,f3,・・・,fn-2に対するワイソフ算術は未着手で,これらが求められているのは[11・・・11]だけであった.

[2]しかし,ムーディー論文を読んだあとは,それ以外のすべての準正多面体でも,一般的な公式が存在するか,または,適切な解の有限集合からすべての解を導くプロセスが存在するはずであることを確信した.

[3]ワイソフベクトルから,f2,f3,・・・,fn-2を求めることは難しいが,n−1次元までの情報がわかっている場合は,芋づる式に求められることがわかった.とくに切頂型は上の段がわかれば初等的に構成することができる.

[4]切頂切稜型の面数公式は,畳み込み式として得られる.切頂型の面数公式はnの一般式として初等的に求められるが,切頂切稜型の特殊例として,同じ公式の形に書くことができると思われた.

[5]共通部分を生ずる場合は,包除公式すなわち重複する分を引いて,引きすぎた分を足し直してということを繰り返す必要があるが,その辺の事情は意味論的に解釈することができる.

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[4]について,考えてみると,正軸体系切頂型(001100)→f=(960,3360,4160,2320,636,76)

 頂点に(01100)ができているが,辺と面は消失していて,(1100)柱を重複して数え上げていることになる.

(01100)→f=(240,720,720,280,42)

(1100)→f=(48,120,96,24)

(100)→f=(6,12,8)

(00)

(1)

f0=12・240−60・48+160・6=960  (OK)

f1=12・720−60・120+160・12=3360  (OK)

f2=12・720−60・96+160・8=4160  (OK)

f3=12・280−60・24+160・1+240・1=2320  (OK)

f4=12・42−60・1+160・0+240・0+192・(1)=636  (OK)

となって,まったく同じ手順で計算することができる.

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