■単純リー環を使った面数数え上げ(その7)

 ムーディー先生から古典的な単純リー環を使った面数数え上げの論文が送られてきた.

 RV Moody, J Patera: Voronoi and Delaunay cells of root lattices: classification of their faces and facets by Coxter-Dynkin diagrams, J Phys A Math Gen 25(1992), 5089-5134

 この連休を利用して通読することができたが,目標がはっきりしない,あるいはストーリー性に欠けたわが論文とは異なり,単純リー環という一貫した観点からトピックスが選ばれており,20年たったいま読んでも魅力に溢れている.

 そこには壁の突破の仕方が幾通りか触れられている.たとえば,An,Bn,Cn,Dnはそのまま空間充填多面体に応用できるかも・・・と思われたのであるがそううまくはいかなかった.

 正確にいうと,役に立たないのではなく,私の学力からして「ユークリッド空間の有限群(正多面体)または無限離散群(空間充填形)になるのは,4つの無限系列と6つの例外的な場合に限る」といった群論的な方法ではハードすぎて歯が立たないということなのであろう.

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