■レムニスケート積分(その24)

 老多くして益なしの笑い話がある.

「ある数学の先生が、できの悪い学生に、おまえなんか正65537角形の作図でもしていろ!としかった。

 その学生は姿を消し、数十年後に恩師のもとを訪れた。彼は正65537角形の作図方法を書いた論文を、師に渡し息絶えた。」

 ネタ本は岩波新書の遠山啓「数学入門」(全三冊)だったと思う。最近、再刊されているらしい.

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 遠山啓の「数学入門」、今にして思うと含蓄のあるものであった。この本をよんでも、数学の成績が上がるとは保証しないが、、、

 この本でオマル・ハイヤームの「ルバイヤート」の存在を初めて知った。ゲーテの「ファウスト」に耽溺したのは、父の影響であるが、「数学入門」にも、メフィストテレスが登場する。たぶん、背理法の解説の所で、「すべてを否定する物」の例として引き合いにだしたのだと記憶している。

 行列、行列式もこの本で知ったと記憶している。当時は、ある意味では早熟な中学生だったとおもう。  (阪本ひろむ)

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