■フルヴィッツの平方和定理(補遺3)
フェルマーは素数を3つのタイプに分けて考えた.
[1]2(偶数となる優いつの素数)
[2]4k+1型素数:5,13,17,・・・
[3]4k+3型素数:3,7,11,・・・
そして,[1][2]は平方数の和で表せる,[3]は平方数の和で表せないことを示した.
これは素数の場合であるが,一般の整数の場合はそれを素因数分解したとき,4k+3型素因数のすべてが偶数乗の場合に限り,平方数の和で表せる.
これと類似の方法を使って,1770年ラグランジュは,任意の自然数は4つの平方数の和の形に表せることを証明した.
ところで,4k+1型整数
1,5,9,13,,17,21,25,29,・・・
は積に関して閉じている.
(4m+1)(4n+1)=4(4mn+m+n)+1=4k+1
普通の整数の世界で素数を考えたのと同様に,4k+1の数の世界で素数(概素数)を考えてみよう.すなわち,それより小さい数の積としては表せない数のことである.
9は1,5の積では表せないから概素数である.693は
693=9・77=21・33
と2つの異なる方法で分解できてしまう.
9,77,21,33はいずれも4k+1の数の世界では概素数であるが,この世界では素因数分解の一意性は成り立たないのである.
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