■フルヴィッツの平方和定理(補遺)

 フィボナッチの等式としてよく知られている恒等式

  (a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac−bd)^2+(ad+bc)^2

は簡単に確認できます.この公式は2つの整数がともに平方数の和の形をしているなら,その2数の積も平方数で表されることを示しています.

 また,4n+1の形の素数は2つの整数の平方の和として表されます.たとえば,5=1^2+2^2,13=2^2+3^2 ,17=1^2+4^2,29=2^2+5^2.しかし,4n+3の形の素数は1つもこのようには表せないのです.

  65=5・13=(1^2+2^2)(2^2+3^2)

ここで,a=1,b=2,c=2,d=3とおくと

  (a^2+b^2)(c^2+d^2)=p^2+q^2

[1]p=ac−bd,q=ad+bc

  65=4^2+7^2

[2]p=ac+bd,q=ad−bc

  65=1^2+8^2

 すなわち,

  65=5・13=(1^2+2^2)(2^2+3^2)=4^2+7^2=1^2+8^2

のように,2個の平方数の和として2通りの仕方で表されることがわかります.

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【補】ウェアリングの問題

 ウェアリングは4平方和定理を拡張して,「任意の整数はたかだか9個の3乗数の和として,あるいは19個の4乗数の和として表される」ことを証明抜きで主張しました.

 この問題は多くの数学的思考を刺激し,1909年に至ってヒルベルトによって,どの数もいくつかのn乗数の和で表されることが証明されています.以下,37個の5乗数の和,73個の6乗数の和,・・・と続きます.

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