■ヒルツェブルフの符号数定理とベルヌーイ数(その10)
S^nに同相であるが,微分同相でない多様体Σ^nをエキゾチックな球面と呼ぶ.この判定に初めて成功したのがミルナーで,Σ^7の存在を示した.ここでは,ミルナーの定理について補足しておきたい.
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【1】エキゾチックな球面(ミルナーの定理)
それでは,S^n上に何個の異なる微分構造が存在するのだろうか? ミルナーはS^7上に少なくとも4個の異なる微分構造が存在することを示したのであるが,その後,多様体の手術理論を創始して,S^7上に28個の異なる微分構造が存在することを決定した.
球面に許される微分構造の数を表にしてみると,
次元 微分構造 次元 微分構造 次元 微分構造
1 1 7 28 13 3
2 1 8 2 14 2
3 1 9 8 15 16256
4 - 10 6 16 2
5 1 11 992 17 16
6 1 12 1 18 16
19 523264
S^4n-1上には異なる微分構造の個数θ(4n−1)が前後の次元に比べて飛躍的に多くなります.また,
θ(7)=28
θ(11)=2・496
θ(15)=2・8128
θ(4n−1)=2^(2n-2)・(2^(2n-1)−1)×(4Bn/nの分子)
28,496,8218,・・・は完全数であることが知られています.
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【2】高次元ポアンカレ予想の解決(スメールの定理)
Σ^nがS^nにホモトピー同値であるならば,n≧5のとき,Σ^nはS^nと同相である.
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