■ウォリスの公式とオイラー積(その22)

 (その16)で,

[1]N=Πn^k/(n^k−1)  n=2〜∞

k=2:N=2

k=3:N=3πsech(π√3/2)

k=4:N=4πcosech(π√3/2)

k=6:N=6π^2(sech(π√3/2))^2

[2]N=Π(n^k+1)/n^k  n=1〜∞

k=2:N=sinh(π)/π

k=3:N=cosh(π√3/2)/π

など,阪本ひろむ氏がkが20乗以下の場合も計算してくれたが,その際,三角関数,双曲三角関数のほかに,ガンマ関数が頻繁に出現した.

  Π(1,∞)(1−α^2/n^2)=sin(πα)/πα

に対して

  Π(1,∞)(1+α^2/n^2)=sinh(πα)/πα

であるから,双曲三角関数は三角関数の複素数版と考えることができる.

 また,オイラーは三角関数sinxの零点が0,±π,±2π,±3π,・・・であることから三角関数を因数分解して,無限乗積

  sinx=xΠ(1−x^2/n^2π^2)

  sin(πx)=πxΠ(1−x^2/n^2)=π/Γ(x)Γ(1−x)

を得た.

 そして,sinxの無限乗積とベキ級数展開(テイラー展開)

  sinx=x−x^3/3!+x^5/5!−x^7/7!+・・・

を用いて,偶数ゼータの値

  ζ(2)=π^2/6,ζ(4)=π^4/90,ζ(6)=π^6/945,ζ(8)=π^8/9450,・・・

を得たのであるが,

  sin(πx)=πxΠ(1−x^2/n^2)=π/Γ(x)Γ(1−x)

より,ガンマ関数も三角関数の1種といえるのである.→(その20)(その21)参照

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