■12面定理

 1930年に開かれた第1回ワールドカップのでは12枚の長四角の革を6組に分けて立方体(位相幾何学的12面体)のように配置されていた.すなわち,初期のサッカーボールはバレーボール型であったが,1930年代にはもう一つ,立方体をもとにして,H型の革を6枚巧みに組み合わせたボールも使われていた.

 1970年のメキシコ大会から切頂20面体型のデザインが変わった.これは20枚の正六角形と12枚の正五角形からなるが,シンメトリーな形をした革を1種類だけ使ったものではない.

 2010年のサッカーワールドカップでは,切頂20面体型のサッカーボールとは違う形のボールが使われた.今後のワールドカップでは,ねじれ12面体(92面体)などが新しいさらに風変わりなサッカーボールの候補になりうると思われるが,いかがであろうか?

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[Q]サッカーボールに五角形面は何面あるか?

という問題はよく知られた問題である.どの頂点にも五角形面ひとつと六角形面ふたつが集まっている.五角形面の数をx,六角形面の数をyとすると,

 頂点の数:v=(5x+6y)/3

 辺の数: e=(5x+6y)/2

 面の数: f=x+y

をオイラーの公式:v−e+f=2に代入すると,x=12となる.

 それでは,

[Q]五角形面と六角形面で多面体を作る.五角形面は何面あるか?

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[補](v,e,f)が多面体となるための必要十分条件は

  v−e+f=2

  v≧4,f≧4

  2e≧3v,2e≧3f

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