■平面格子のキュリー点(その4)
イジング模型について補足しておきたい.
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磁石では各分子がスピンをもっていて,外部から与えた方向に対して平行か、,反平行かの2つの向きをもつことができる.格子点にσ=+1かσ=−1かを配置すると,格子点の総数がNならば格子全体としての状態は2^Nあることになる.
また,分子間の相互作用は近接作用であって,隣同士の分子間のみで働くものとする.σi,σi+1がともに+1またはともに−1であれば相互作用のエネルギーは−U,一方が+1他方が−1のときには相互作用のエネルギーは+Uと考えることにする.
もし,XUが正ならば,負のエネルギーの方が安定であるから,スピンはできるだけ同じ値をとろうとする傾向にある.すべての分子のスピンが同じ方向に並ぶとき,強磁性の模型になる.もし,XUが負ならば,隣同士のスピンは互いの逆向きになろうとする傾向にある.隣同士の分子のスピンが互いに逆向きに並ぶとき,反強磁性の模型になる.
個の2つの両極端の状態は連続的に変わるのではなく,ある臨界温度Tcを境にして,スピンのそろった状態からバラバラになった状態に突然に移り変わるのである.これが磁性現象における相転移である.
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