■スターリングの公式の図形的証明?(その46)
平行体の体積とグラミアン」シリーズでは,
[1]2(2^n−1)面体(置換多面体)の体積公式
[2]3^n−1面体の体積公式
について,2つの方法
[1]漸化式
[2]行列式(グラミアン)
で計算したところ,どちらの多面体でも4次元まで[1][2]は一致したものの5次元以上で乖離してしまった.
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[1]2(2^n−1)面体(置換多面体)の体積公式
辺の長さを1に規格化する.
Hk=hk/2|x1−a1|=hk/|1−y1|
原正多胞体の面数公式を
Nk^(n)=n+1Ck+1
とすると,置換多面体の体積公式は
Vn=(N0Vn-1H0+N1Vn-2H1+・・・+Nn-2Vn-2Hn-2+Nn-1Vn-1Hn-1)/n
たとえば,漸化式で,8枚の正六角形と6枚の正方形からなる切頂八面体の体積を求めると
V3=(4V2H0+6V1H1+4V2H2)/3=8√2
となって正しい解が得られた.
[2]3^n−1面体の体積公式
辺の長さを1に規格化する.
Hk=hk/2ω=hk/(2n+n(n−1)√2)
原正多胞体の面数公式を
Nk^(n)=2^(k+1)nCk+1
とすると,正軸体版の体積公式は
Λn=(N0Λn-1H0+N1Λn-2H1+・・・+Nn-2Vn-2Hn-2+Nn-1Vn-1Hn-1)/n
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
行列式の方が美しい.だからこちらが正しいとは断定できないが,行列式の方が正しいとすると
[1]2(2^n−1)面体(置換多面体)の体積公式
V2=3√3/2
V3=8√2
V4=125√5/4
V5=324√3
V6=16807√7/8
V7=65536
[2]3^n−1面体の体積公式
V2=2(1+√2)
V3=22+14√2
V4=262+184√2
V5=4106+3128√2
V6=91236+57172√2
V7=4(476709+393581√2)
次元に依存した処理はしていないので,4次元までOK,5次元でNGなら原因の究明は容易だと思われたが,いまだ5次元以上での乖離の原因はつかめていない.
[雑感]この結果も(その33)−(その38)の結果と整合しているように思える.当初は,面数2(2^n−1)の空間充填多面体(置換多面体,頂点数(n+1)!)を使えばよりよい上界・下界評価が可能になるかもしれないとかんがえていたのであるが,3^n−1面体に期待を掛けたい.
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