■レイボーンの転上体の問題
円錐を2つ底面でくっつけた物体が,傾斜のあるV字型のレールの上を回転しながら登っていくというのが「レイボーンの転上体」と呼ばれるパラドキシカルな物体である.
実は,坂道を上っているように見えるが,転上体の重心は下っていくので,重力の法則に反しているわけではない.
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α:レールの傾斜角度
β:V字型レール間の角度の半分
γ:転上体の頂角の半分
a:レールの下端の高さ
b:レールの上端の高さ
r:転上体の底面の半径
として,転上体の重心の軌道(x,y)を求めると
y=a+r+x(tanα−tanβtanγ)
となって,勾配:tanα−tanβtanγが負のとき,パラドックスが起こるのである.
たとえば,α=4.6°,β=15.3°,γ=25.4°
では,不等式
tanα<tanβtanγ
は満たされている.
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