■ハンケル行列式(その2)
[1]第1種チェビシェフ多項式Tn(x)の正規化
pn(x)=√(2/π)Tn(x)
kn=2^n-1√(2/π)
Dn=π^n+1/2^(n^2)
[2]第2種チェビシェフ多項式Un(x)の正規化
pn(x)=√(2/π)Un(x)
kn=2^n√(2/π)
Dn=π^n+1/2^((n+1)^2)
[3]ルジャンドル多項式Pn(x)の正規化
pn(x)=√((2n+1)/2)Pn(x)
kn=(2n)!/2^n(n!)^2√((2n+1)/2)
Dn=2^((n+1)^2)/Π(2k+1)(2k,k)^2
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[4]ハンケル行列式とセルバーグ積分
セルバーグ積分
∫(0,1)・・・∫(0,1)Πti^(x-1)(1−ti)^(y-1)Π|ti−tj|^(2z)dt1・・・dtn
=ΠΓ(x+(j-1)z)Γ(y+(j-1)z)Γ(jz+1)/Γ(x+y+(n+j-2)z)Γ(z+1)
は久しく忘れられていたのですが,近年になってにわかに注目されるようになりました.1つにはランダム行列の分配関数の明示的公式を与えること,1つには2次元共形場理論における頂点作用素の表示を与えるのに有効なこと,また1つにはA型帯球関数である直交多項式に深いつながりがあることがわかってきたからだそうです.すなわち,z=1のときはヤコビ多項式のハンケル行列式に等しい.z=1/2のときは実対称行列,z=2のときは実シンプレクティック行列の不変測度による積分の相関係数に関係があります.
n=1のときはベータ関数の積分,n=2のときはDixon積分(1903年),セルバーグは一般のnに対してこれを1944年に証明しています.
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Dn,pn(x)は,以下のセルバーグ積分表示をもつ.
Dn=1/(n+1)!∫(a,b)・・・∫(a,b)Πε(ti)Π|ti−tj|^2dt1・・・dtn
pn(x)=1/n!√Dn-1Dn∫(a,b)・・・∫(a,b)Πε(ti)(x−ti)Π|ti−tj|^2dt1・・・dtn
したがって,これらはランダム行列や共形場理論において,相関係数として現れる基本的な量である.
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