■直交多項式入門(その4)

  (f,g)=∫(-1,1)f(x)g(x)dx

を内積と呼び,(f,g)=0のとき直交するという.

 たとえば,ルジャンドル直交多項式は,母関数(1−2xt+t^2)^-1/2をtのべき級数に展開したとき

  (1−2xt+t^2)^-1/2=Σφj(x)t^j

のt^jの係数がルジャンドル多項式であり,

  φ0(x)=1,

  φ1(x)=x,

から始めて,

  φn(1)=1

という条件を課しておけば,これらは一意に定まり

  φ2(x)=(3x^2 −1)/2,

  φ3(x)=(5x^3 −3x)/2,

  φ4(x)=(35x^4 −30x^2 +3)/8,

  φ5(x)=(63x^5 −70x^3 15x)/8,

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・,

  φn(x)=1/(2n ・n!)d^n/dx^n(x^2 −1)^n

で表わされる.

 これらの多項式は互いに直交する.

  ∫(-1,1)φmφn dx=0   (m≠n:直交性)

  (n+1)φn+1 −(2n+1)xφn +nφn-1 =0   (漸化式)

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 一般化することを考える.区間[a,b],重み関数ε(x)とする.

  (f,g)=∫(a,b)ε(x)f(x)g(x)dx

[1]a=−1,b=1,ε(x)=1/(1−x^2)^1/2

とおくと,チェビシェフ多項式,

  T0(x)=1,T1(x)=1

  Tn+1(x)=2xTn(x)−Tn-1(x)    (漸化式)

 チェビシェフ多項式は,以下のような母関数表示をもつ.

  (1−t^2)/(1−2xt+t^2)=1+2Σφj(x)t^j

 x=cosθとおくとき,

  cosnθ=Tn(x),

  sin(n+1)θ/sinθ=Un(x)

[2]a=−∞,b=∞,ε(x)=exp(−x^2)

とおくと,エルミート多項式,

  Hn(x)=n!Σ(−1)^m(2x)^n-2m/m!(n−2m)!

が得られる.

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