■この門くぐるべからず(その18)
n次元立方体の2次元投影図は,nが2のベキ(n=2,4,8,16,・・・)のとき,中止部に穴が開く.その理由について考えてみたい.
n次元立方体を2次元平面上に複数の頂点がなるべく重ならないように座標軸をとることを考える.超立方体の頂点数は2^nであるから,2^n−2n個の頂点は円の内部に投影されることになる.
次に考えるべきことは,n次元立方体の各頂点からはn本の稜がでるということである.たとえば,頂点
(+1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)
の場合,稜の対蹠点の座標は
(−1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)
(+1,+1,+1,+1,−1,−1,+1,−1)
(+1,−1,−1,+1,−1,−1,+1,−1)
(+1,−1,+1,−1,−1,−1,+1,−1)
(+1,−1,+1,+1,+1,−1,+1,−1)
(+1,−1,+1,+1,−1,+1,+1,−1)
(+1,−1,+1,+1,−1,−1,−1,−1)
(+1,−1,+1,+1,−1,−1,+1,+1)
となるから,その方向は,
±(10000000),±(01000000),±(00100000),±(00010000),±(00001000),±(00000100),±(00000010),±(00000001)となる.
e1=(1,0,0,・・・,0)
e2=(0,1,0,・・・,0)
ek=(0,0,0,・,1,・,0)
en=(0,0,0,・・・,1)
を
xk=cos(2(k−1)π/n)
yk=sin(2(k−1)π/n), k=1〜n
に射影すると,nの値によっては円の中心に超立方体の頂点が投影されることになる.
vk=(xk,yk)は上半平面をn等分する長さ1のベクトルであるが,nが2のベキでないとき,円の中心に超立方体の頂点が投影され,中心に穴は開かない.逆に,nが2のベキのとき,中心に穴が開く.再考の余地あり.
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