■トーラス面上の円(その8)
トーラス
{(x^2+y^2)^1/2−r1}^2+z^2=r0^2
x=(r0cosv+r1)cosu
y=(r0cosv+r1)sinu
z=r0sinv
において,r1/r0比が大きいとドーナツはフラフープのようになりますが,比が1に近づくと孔は狭まり,r1/r0<1になると互いに自分自身の中に食い込んだ形になり,ヘソの付いたアンパンのような形になります.これらは自己交差していて正則でない曲面の例です.
[0]標準トーラス(r1/r0>1)
[1]極限トーラス(r1/r0=1)
[2]紡錘トーラス(r1/r0<1)
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【1】トーラスの諸計量
p(u,v)=(x,y,z)
pu(u,v)=(−(r1+r0cosv)sinu,(r1+r0cosv)cosu,0)
pv(u,v)=(−r0sinvcosu,−r0sinvcosu,r0cosv)
第1基本量
E=(r1+r0cosv)^2,F=0,G=r0^2
(EG−F^2)^1/2=r0(r1+r0cosv)
単位法線ベクトル
N(u,v)=(cosvcosu,cosvsinu,sinv)
puu(u,v)=(−(r1+r0cosv)cosu,(r1+r0cosv)sinu,0)
puv(u,v)=(r0sinvsinu,−r0sinvcosu,0)
pvv(u,v)=(−r0cosvcosu,−r0cosvcosu,−r0sinv)
第2基本量
L=−(r1+r0cosv)cosv,M=0,N=−r0
(EG−F^2)^1/2=r0(r1+r0cosv)
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【2】サイクライド=球面族の包絡面
もっといびつな形も考えることができます.デュパンは大きさを変えながら空間を移動する球の包絡面を考えて,サイクライドをを構成しました.
[1]リング・サイクライド
[2]ホーン・サイクライド
[3]極限ホーン・サイクライド
[4]極限リング・サイクライド
[5]紡錘リング・サイクライド
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【3】サイクライドに関する諸定理
[1]すべてのデュパン・サイクライドはトーラス,直円柱,直円錐のいずれかからの反転によって得られる.
[2]極限トーラスは直円柱に反転を施すことによって得られる.
[3]紡錘トーラスは直円錐に反転を施すことによって得られる.
[4]すべてのデュパン・サイクライドはトーラス,極限トーラス,紡錘トーラスのいずれかからの反転によって得られる.
[5]すべてのデュパン・サイクライドは平行曲面をとる操作,反転,相似変換により互いに移りあえる.
[6]すべてのデュパン・サイクライドは4次または3次曲面として表される.
[7]デュパン・サイクライドは固定した3つの球面に接するすべての球面を包絡する曲面である.→ソディーの6球連鎖
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