■空間(多面体)への一般化? (その5)

 平面上の閉曲線Cと平行な直線族との交点によって定まる線分の中点の軌跡は直線(線分である)という幾何学的性質を考える.円がこの性質をもつことは明らかであるが,この性質をもつための必要十分条件は楕円であることである.

 この性質は空間に一般化できて,空間内の閉曲面Cと平行な直線族との交点によって定まる線分の中点が同一平面上にあるという幾何学的性質を考える.球面がこの性質をもつことは明らかであるが,この性質をもつための必要十分条件は楕円面であることである.→これを証明してみたい.

===================================

 楕円面をx^2/a^2+y^2/b^2+z^2/c^2=1,xy平面に含まれるベクトルをu=(u1,u2,0),3次元空間の長さ1の方向ベクトルをv=(v1,v2,v3)とすると,直線は

  x=u+tv,x=u1+tv1,y=u2+tv2,z=tv3

で定まる.

 代入して整理すると

  (v1^2b^2c^2+v2^2a^2c^2+v3^2a^2b^2)t^2+2(u1v1b^2c^2+u2v2a^2c^2)t+u1^2b^2c^2+u2^2a^2c^2−a^2b^2c^2=0

  (t1+t2)/2=−(u1v1b^2+u2v2a^2)c^2/(v1^2b^2c^2+v2^2a^2c^2+v3^2a^2b^2)

 中点はx=u+(t1+t2)/2・vで与えられるが,ベクトルwを

  w=(v1b^2c^2,v2a^2c^2,v3a^2b^2)

とすると,x・w=0よりxとwが直交することを示すことができる.したがって中点の座標は平面上にある.

===================================