■テニスボール定理(その4)

[1]ボールの縫い目

 テニスや野球のボールは同じ形,同じ大きさの2枚を縫い合わせてできている.この曲線は立方体各面の内接円の円弧をハミルトン閉路に沿って滑らかにつないだものである.

 正多面体は立方体の他にも4種類あり,いずれもハミルトン閉路をもつ.とくに,正八面体と正二十面体には異なるハミルトン閉路を複数個ある.これらからも球面を等面積に2分割する球面上の滑らかな曲線が得られる.これらもボールの縫い目の候補となり得るのである.

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[2]歯車の回転

 つぎに,正多面体の各面を歯車で置き換えることを考える.正四面体配列の歯車は回転しないかみ合わせになっているが,正八面体配列の歯車は回転する.

 回転できるための条件は各頂点に偶数の多角形が集まることである.したがって,正20面体配列の歯車は回転しないのである.

 準正多面体を考えると,同様に立方八面体,12・20面体,菱形立方八面体,菱形12・20面体では歯車は回転する.

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[3]市松模様の塗りわけ

(問)5種類の正多面体{3,3}{3,4}{4,3}{3,5}{5,3}のうち,どの隣接する2面も同じ色でないように,黒と白の市松模様に塗ることができるのはどれか?

(答)これが可能なためには,1つの頂点で偶数の面が交わらなければならない.すなわち,正八面体{3,4}.

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