■空間(多面体)への一般化? (その1)

 任意の多角形の辺の中点を順に結んで内接多角形を作る操作を繰り返します.すると多角形はだんだん小さくなりますが,元の多角形と新しく導かれた多角形はすべて同じ重心をもっています.そして,偶数角形の場合は対辺が平行で長さの等しい多角形に近づいていきます.

 しばしば誤解されるのですが,これは正多角形ではありません.対辺同士が互いの平行で等長の平行多角形です.たとえば任意の凸角形に双対図形を挿入していけば,平行六角形ができるのです.

[Q]平面(多角形)におけるこの性質は空間(多面体)への一般化が成り立つでしょうか?

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 ところで,コラム「アレクサンダーの角付き球面」では

[1]シェーンフリースは単純閉曲線の内部と外部はそれぞれ円周の内部と外部に同相であることを証明した(1908年).

[2]ところが,1924年,アレクサンダーは角付き球面の内部は球体の内部と同相であるが,外部は球体と外部と同相でないことを証明した.このことはシェーンフリースの定理の空間版が成り立たないことを意味している.

[3]1960年,ブラウンはシェーンフリースの定理の多面体版を証明した.この定理は高次元でも成り立つ.

 一般に,空間(多面体)への一般化は一筋縄では行かないようである.

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